私はもうはじまっているけど

こじらせた女の悲喜こもごも

わたしの口の中のガム

24になった。

もう立派な大人だ。

 

大人になったら楽になるよ、と大人は言った。

 

「そういうもてあました自意識も、感受性も、大人になると噛み続けたガムみたいになる。薄くのびて、味もなくなって、膨らますこともできなくなって、そのうちくちゃくちゃ噛んでるのがアホくさくなって、気づいたら口から吐き出せるようになるよ。」

 

そう言って大きく口をあけて笑う大人の口の中をまじまじと除いてみたけれど、ガムは見当たらなかった。

 

24になった。

それでもいまだ、私はガムを噛み続けている。

もう唾液の味しかしないし、ガムが口の中にあるせいで、口をあければすぐにヨダレが垂れそうになる。

さすがに十代のころのように、くちゃくちゃと音を立てることはなくなったけれど、だからこそ余計に、口の奥で粘ついて、溶けそうで溶けないガムが気持ち悪くて仕方ない。

 

吐き出そうと何度も思う。吐き出せそう、とも思う。

それでも噛み続けてしまう。

 

いつになったら吐き出せるのだろうか?

気づいたらなくなっているのか、とたんに吐き出すのか、はたまた呑み込んでしまうのか。

わからないけれど、

ここが吐き出したガムを包むちり紙のようであればいいのにと思う。

 

まぁ、こんなところでこんなこと書いてる時点でもうしばらくは無理そうだけど。